再建築不可物件、借地権付き建物、底地は、一般的な土地・建物と比べて担保評価が難しくなりやすい不動産です。ただし、それぞれを取扱対象とする金融会社では、権利内容と売却可能性を個別評価したうえで審査対象になる場合があります。
結論
3つをまとめて「特殊な物件」として判断するのではなく、再建築不可なら接道と建替え可能性、借地権なら契約と残存期間、底地なら地代収入と借地人との契約を分けて確認します。申込先が対象物件を公式に扱っているかが最初の分岐です。
まず知りたい7つの答え
再建築不可でも申し込める?
再建築不可を取扱対象とする金融会社なら、接道状況や売却可能性を個別に確認したうえで審査される場合があります。
借地権付き建物でも対象?
借地権を扱う金融会社では対象になる場合があります。契約種類、残存期間、地代、地主との契約条件が重要です。
底地だけでも対象?
底地を扱う金融会社では対象になる場合があります。地代収入、借地契約、借地人との関係、将来の売却可能性が確認されます。
3つは同じ評価方法?
同じではありません。再建築不可は物件状態、借地権は土地利用権と建物、底地は借地権が付いた土地所有権を中心に評価します。
公的な評価額まで借りられる?
公的評価や市場価格がそのまま融資額になるわけではありません。申込先が処分可能性を含めて担保評価を行います。
地主の承諾は必須?
借地契約と融資条件によって異なります。承諾書等を求められる場合があるため、契約書と申込先の案内を確認します。
返済できないとどうなる?
担保にした土地・建物・借地権・底地所有権が競売や売却の対象となり、権利を失う可能性があります。
再建築不可・借地権付き建物・底地は別の条件
| 区分 | 担保の中心 | 主な確認事項 | 評価が難しい理由 |
|---|---|---|---|
| 再建築不可 | 土地・既存建物 | 接道、道路種別、建替え許可の可能性 | 建物滅失後の利用と売却先が限られやすい |
| 借地権付き建物 | 土地利用権・建物 | 契約種類、残存期間、地代、譲渡等の条件 | 土地所有権を持たず契約上の制約がある |
| 底地 | 借地権付き土地の所有権 | 地代、契約、借地人、将来の権利統合 | 所有者が土地を自由に使用しにくい |
再建築不可は「なぜ建て替えられないか」を確認する
代表的な原因は、建築物の敷地が建築基準法上の道路へ必要な長さで接していないことです。無接道または接道長さが不足していても、特定行政庁の許可等によって建替えられる場合があるため、広告や登記だけで将来の可否を断定できません。
道路の扱い
前面通路が建築基準法上の道路に当たるかを確認します。
接道の長さ
敷地が道路へどの程度接しているかを確認します。
許可・改善の可能性
自治体の許可、隣地取得、道路条件の変化などを確認します。
建物と売却可能性
既存建物の状態、修繕可能性、将来の買い手の範囲を確認します。
借地権付き建物は契約内容と残存期間が重要
借地権は、建物を所有する目的で土地を使用する地上権または土地賃借権です。土地そのものを所有していないため、建物価値だけでなく、土地を使い続けられる期間と契約上の制約を合わせて評価します。
金融会社へ正確に伝えたい契約情報
普通借地権・定期借地権等の種類
借地期間と残存期間
地代と支払状況
更新・譲渡・担保設定の契約条件
建物の所有・登記状況
地主の承諾等が必要となる条件
地主の承諾が必要かは、借地契約と申込先の融資条件で異なります。一律に不要・必須と判断せず、契約書の条項と申込先の案内を確認してください。
底地は地代収入と借地契約を中心に見る
底地は、借地権が付いた土地の所有権です。土地を所有していても、借地人が土地を使用しているため、更地のように自由に利用・売却できるとは限りません。
地代収入
現在の地代、支払状況、収益性を確認します。
借地契約
種類、期間、更新、建物の状況を確認します。
出口の可能性
借地人への売却、借地権取得、第三者売却の可能性を確認します。
審査で確認される5つの条件
申込先の取扱範囲
再建築不可・借地・底地のどれを対象としているか
権利と契約の明確さ
担保対象、契約種類、期間、地代、登記内容に不明点がないか
売却・回収可能性
返済不能時に買い手を見つけられる不動産・権利か
物件の利用価値
立地、建物状態、収益、周辺需要を含めて利用価値があるか
返済能力
担保評価だけでなく、収入と返済計画を確認できるか
返済できない場合、担保にした権利を失う可能性がある
返済が滞り解消できない場合は、担保にした不動産や権利が競売・売却される可能性があります。失う対象は、契約で抵当権等を設定した範囲によって異なります。
借地権付き建物は、土地所有権がないからリスクが小さいわけではありません。
借地権と建物が担保対象なら、競売・売却によって建物と土地を使う権利を失う可能性があります。底地の場合は底地所有権を失う可能性があります。
再建築不可・借地・底地・軍用地のいずれかへの対応を公式に示す掲載会社
当サイト掲載会社のうち、公式サイトで再建築不可、借地、借地上の建物、底地、軍用地のいずれかへの対応を確認できる会社例です。すべての条件へ対応するとは限らないため、各社の詳細ページで対象条件を確認してください。
総合マネージメントサービス
トラストホールディングス
つばさコーポレーション
丸の内AMS
日宝
ニチデン
アサックス
アビック
セゾンファンデックス
信用商事
ABCサニー
DCコーポレーション
協和信用保証
ライフエステート
ジョイエス
SBIエステートファイナンス
新生インベストメント&ファイナンス
東京スター銀行
りそな銀行
賃貸用物件・土地・別荘・セカンドハウス・借地更新料
埼玉りそな銀行
賃貸用物件・土地・別荘・セカンドハウス・借地更新料
ドコモSMTBネット銀行
投資用資金・不動産購入資金(事業性資金を除く)
オリックス銀行
国内外の別荘・賃貸用不動産・海外不動産・低圧太陽光発電設備の購入資金
三井住友銀行
別荘購入資金(一部取扱不可地域あり)
イオン銀行
セカンドハウス・市街化調整区域等の住宅取得・リフォーム資金
SBJ銀行
借地権付戸建・マンションは条件により対応(再建築不可・離島等は対象外)
関西みらい銀行
土地・賃貸用・投資用・別荘、2番抵当・複数物件を審査対象
みなと銀行
全国の土地・別荘・リゾート・賃貸不動産、底地買取等に対応
千葉銀行
セカンドハウス・別荘、賃貸住宅・店舗・事務所等に対応
横浜銀行
賃貸住宅・土地、貸店舗・貸事務所・貸倉庫等に対応
静岡銀行
賃貸マンション・店舗・別荘・駐車場、賃貸用不動産等に対応
福岡銀行
本人・親族所有の戸建・マンション、賃貸用・築30年木造アパート等に対応
西日本シティ銀行
居住用賃貸の戸建・区分マンション・土地、リフォーム等に対応
常陽銀行
賃貸住宅・マンション・木造物件、中古住宅・借地権等に対応
足利銀行
別荘・通勤通学用マンション、借地、サービス付き高齢者向け住宅等に対応
京葉銀行
住宅リバースローンはセカンドハウスの建設・購入・リフォームに対応
きらぼし銀行
一般住宅・ビル・土地、別荘・セカンドハウス、所定の民泊物件に対応
山梨中央銀行
別荘・セカンドハウスの購入・新築・リフォームに対応(収益物件は対象外)
八十二長野銀行
大型フリーローンは別荘・セカンドハウスの購入資金に対応(再建築不可・借地・底地を示す条件ではない)
北陸銀行
アパートローンとリ・バース60は融資対象物件の底地を担保対象として明記(再建築不可・借地権対応を示す条件ではない)
北國銀行
北國大型フリーローンは別荘地購入資金に対応(再建築不可・借地・底地を示す条件ではない)
滋賀銀行
目的型はセカンドハウス購入資金に対応(再建築不可・借地・底地を示す条件ではない)
池田泉州銀行
オーナーズハウスローンはセカンドハウス等と条件付きワンルームマンションに対応(再建築不可・借地・底地を示す条件ではない)
紀陽銀行
紀陽不動産担保ローンは別荘、不動産関連型はセカンドハウス・本人が居住しない物件に対応(再建築不可・借地・底地を示す条件ではない)
南都銀行
リバースモーゲージローンはマンションを担保候補として明記(再建築不可・借地・底地を示す条件ではない)
中国銀行
アパートローンは賃貸集合住宅、提携条件を満たす場合はマンション一室賃貸に対応。リ・バース60は中古マンション購入にも対応(再建築不可・借地・底地を示す条件ではない)
広島銀行
ランド・オーナーは4戸以上の居住用・営業用賃貸不動産と中古物件に対応(区分所有物件・土地だけの取得・4戸未満は対象外)
四国銀行
リ・バース60はセカンドハウス、親族への使用貸借、3年以内の定期借家で第三者へ賃貸する物件のリフォーム等に対応(再建築不可・借地・底地を示す条件ではない)
山口銀行
本人・親族所有または共有する住宅のリフォーム、3年以内の定期借家で第三者へ賃貸する住宅、子世帯住宅に対応(再建築不可・借地・底地を示す条件ではない)
もみじ銀行
リバース型は親族・共有住宅や3年以内の定期借家で第三者へ賃貸する住宅、アパートローンは賃貸住宅・店舗等付賃貸住宅に対応(再建築不可・借地・底地を示す条件ではない)
北九州銀行
本人・親族所有または共有する住宅のリフォーム、3年以内の定期借家で第三者へ賃貸する住宅、子世帯住宅に対応(再建築不可・借地・底地を示す条件ではない)
七十七銀行
リバース型はセカンドハウス・借地権・3年以内の定期借家で第三者へ賃貸する住宅、アパートローンは賃貸用建物とその底地に対応(再建築不可や一部持分だけの担保提供を示す条件ではない)
岩手銀行
セカンドハウス、親族へ使用貸借する住宅・3年以内の定期借家で第三者へ賃貸する住宅のリフォーム、サービス付き高齢者向け住宅、子世帯住宅に対応(再建築不可・借地・底地を示す条件ではない)
青森みちのく銀行
親族へ使用貸借する住宅・3年以内の定期借家で第三者へ賃貸する住宅のリフォーム、サービス付き高齢者向け住宅、子世帯住宅に対応(再建築不可・借地・底地を示す条件ではない)
荘内銀行
本人住宅の借地権取得・造成、3年以内の定期借家で第三者へ賃貸する住宅のリフォーム、サービス付き高齢者向け住宅、子・孫等の住宅に対応(再建築不可・底地等の一般対応を示す条件ではない)
スルガ銀行
商業ビル・ホテルコンドミニアム・別荘・セカンドハウスに対応(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
静岡中央銀行
本人または家族が利用する別荘・セカンドハウスの新築・中古購入に対応(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
あいち銀行
本人・子世帯の住宅、3年以内の定期借家で第三者へ賃貸する住宅のリフォーム、サービス付き高齢者向け住宅に対応(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
名古屋銀行
賃貸住宅・アパート、店舗等との併用建物、住替え前住宅の空き家・3年以内の定期借家に条件付き対応(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
愛媛銀行
アパート・賃貸マンション・賃貸併用住宅・店舗または事業所付住宅・セカンドハウスに商品別で対応(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
高知銀行
賃貸住宅・アパート・賃貸マンション、居住部分50%以上の賃貸ビル、店舗・事業所付住宅、中古物件に商品別で対応(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
香川銀行
本人・子世帯の住宅、セカンドハウス、親族使用貸借・3年以内の定期借家住宅のリフォーム、サービス付き高齢者向け住宅に対応(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
徳島大正銀行
賃貸ビル・アパート・マンション、居住部分50%以上の賃貸ビル、店舗・事務所付住宅、中古物件、セカンドハウス、3年以内の定期借家住宅に商品別で対応(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
沖縄ローンセンター
軍用地を担保対象として明記
財全ソリューション
借地・未登記・市街化調整区域の一部・軍用地・開発案件
国際商事
軍用地では地料明細書等を提出対象として明記
アルファ
軍用地・アパート用地の土地購入資金計画
リプライおきなわ
借地権付建物・底地を個別審査
サクセスコーポレーション
軍用地を担保対象として明記
沖縄銀行
軍用地ローンは融資対象の軍用地への抵当権または根抵当権設定を明記(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
琉球銀行
軍用地主ローン2商品は対象軍用地への第1順位根抵当権設定を明記(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
大分銀行
ニューアパートローンは第三者へ賃貸する住宅・事務所・店舗・倉庫、中古物件に対応(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
佐賀共栄銀行
不動産投資ローンは戸建・区分マンション・土地・中古物件、アパートローンは店舗付共同住宅に対応(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
熊本銀行
ロングリリーフの公式事例は築30年木造アパート購入に対応(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
福岡中央銀行
フリー型は太陽光発電システム設置資金、アパートローンVは共同住宅部分が総延床面積50%以上の店舗・事務所併用物件に対応(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
十八親和銀行
ロングリリーフの公式事例は差押え中の保有物件、マンション1室の仕入・リフォーム、築30年木造アパート購入に対応(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
宮崎太陽銀行
資産形成ローンは1K・1DK区分マンション、土地・駐車場、中古物件に対応(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
豊和銀行
ほうわオーナーズローンは1K・1DK(33㎡以下)の区分マンション、転売目的を除く土地、中古物件に対応(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
沖縄海邦銀行
軍用地主ローンは軍用地への抵当権設定を商品条件として明記(一親等親族の担保提供にも対応するが、再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
北日本銀行
公社保証付アパートローンは賃貸住宅部分が総床面積の2分の1以上となる自宅・店舗等との併用住宅に対応(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
山陰合同銀行
海外不動産購入ローンは米国ハワイ州・カリフォルニア州の土地・建物を原則第1順位で担保提供(国内の再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
トマト銀行
充実生活Ⅲはセカンドハウス購入資金と国内不動産を担保対象とするが、沖縄本島・淡路島以外の離島は対象外(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
百十四銀行
114セカンドハウスローンは本人・家族が使用するセカンドハウス、単身赴任用住宅、未婚の子どもが居住する住宅等に対応(賃貸・投資用、再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
北海道銀行
どうぎんリ・バース60は融資対象物件の底地を担保対象として明記(再建築不可・借地権対応を示す条件ではない)
北洋銀行
道外居住者向けセカンドハウスプランは本人利用のセカンドハウス・季節利用住宅、家族・親族居住用住宅に対応(投資用、再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
SBI新生銀行
不動産ノンリコースファイナンスは事務所・住居・商業施設・ホテル・物流・産業・ヘルスケア施設、開発・建設案件、複数物件を個別検討(再建築不可・借地・底地の一般対応を示す条件ではない)
再建築不可・借地・底地についてのよくある疑問
Q.再建築不可物件でも不動産担保ローンを利用できますか?
A.利用できる場合があります。ただし、再建築できない理由、接道状況、建物状態、売却のしやすさを個別に評価するため、再建築不可を取扱対象とする金融会社へ申し込む必要があります。
Q.再建築不可とは、今後も絶対に建て替えられないという意味ですか?
A.一律には断定できません。接道要件を満たしていなくても、特定行政庁の許可、隣地取得、道路状況の変更などで建替え可能になる場合があります。現在の可否は自治体の建築担当部署で確認する必要があります。
Q.借地権付きの建物だけでも担保にできますか?
A.借地権付き建物を審査対象とする金融会社では利用できる場合があります。借地契約の種類、残存期間、地代の支払状況、譲渡・担保設定に関する契約条件、建物価値などが確認されます。
Q.借地権を担保にするとき、地主の承諾は必要ですか?
A.借地契約と融資条件によって異なります。地主の承諾書や契約内容の確認を求められる場合があるため、必要性を推測せず、借地契約書と申込先金融会社の案内を確認してください。
Q.底地だけでも不動産担保ローンを利用できますか?
A.底地を取扱対象とする金融会社では利用できる場合があります。地代収入、借地契約、借地権の種類と残存期間、借地人との関係、将来の売却可能性などを含めて評価されます。
Q.再建築不可・借地・底地は同じ基準で評価されますか?
A.同じではありません。再建築不可は接道や建替え可能性、借地権は土地利用権と建物、底地は借地権が付いた土地所有権を中心に確認するため、評価対象とリスクが異なります。
Q.返済できなくなった場合、どの権利を失いますか?
A.担保にした権利や不動産が競売・売却される可能性があります。借地権付き建物なら借地権と建物、底地なら底地所有権、再建築不可物件なら土地・建物を失う可能性があるため、契約前に担保対象を確認してください。
最後に確認すること
①担保にする権利、②再建築不可・借地・底地のどの条件か、③接道または契約内容、④申込先の取扱範囲、⑤返済不能時に失う対象を確認してから検討してください。